ステークホルダー資本主義の未来

NHK BS1にて「グローバル・アジェンダ 資本主義は自ら格差を正せるのか?」(2020年3月27日(金)17時~)を視聴しました。自由主義社会の下でグローバル化やIT化を背景に急成長した資本主義社会の暴走が危惧されています。そんな現代社会への警鐘として、ドラッカーはポスト資本主義社会を示しました。企業や株主が過剰な利益に執着する株主資本主義は強欲資本主義として、知識人から多くの批判を浴びました。資本主義がもたらした負の遺産である格差や環境破壊などのインパクトを是正すべく、企業の社会的責任をどの様に果たしていくべきか考えさせられる番組でした。解決策の提示ではなく、大きな政府や小さな政府から生ずる社会的インパクト、国家資本主義の是非、ステークホルダー資本主義の可能性など、我々が倫理的に如何に行動すべきかを考えさせられました。進歩的資本主義としてステークホルダー資本主義が、世の中に認められるのか、消えていくのか…

長期的利益の確保、広範囲なステークホルダーとの共創、社会貢献という志向は、過去にも多くの研究者が提示してきましたが、現実はしていません。社会的価値との共創を目指して、ISO26000、CSRCSV、公益資本主義、国連グローバルコンパクト、MDGsSDGs、ESG投資など多くの知見が集積しているが、その成果はどうなるのか、我々の行動にかかっている。