ドラッカーとソーシャルビジネス マネジメント編Vol.4

本日は、「マネジメント 課題、責任、実践 上」第1章からマネジメントの背景について紹介します。

 

本章では、マネジメントを語る前提として私たちが生活している社会について述べています。近代社会への発展の中で我々が関わる社会が大きく変わってきました。かつての社会観は、私たちが社会として認識しているのは「政府」と「家族」でした。私たちは日常生活の中で「家族」のために生活していました。しかしながら、先進社会では社会的機能が高度化し、「政府」以外の社会として企業などのさまざまな組織が社会を支えています。私たちは、社会を支えるさまざまな組織のために働いています。各組織にはさまざまな役割が課されており、所属する組織に従って私たちは「地位」と「役割」を与えられ生活することになります。各組織は協力し、時には競合し社会を機能させることになります。このような多元社会の中で組織が巨大化し、社会的影響力が大きくなるにつれ組織の責任がより重要視されるようになりました。各組織が適切に責任を果たすためにマネジメントが必要となるのです。

ドラッカーは、

 「マネジメントとは、成果に対する責任に由来する客観的な機能である。

 「マネジメントの本質は、富でも地位でもなく、責任である。

と述べています。

マネジメントの本質を学ぶことは現代社会で生きていくために大切なことです。

次回以降の、ドラッカーのマネジメントについて紹介します。

 

P.F.ドラッカー(著)、上田惇生(訳)、「マネジメント 課題、責任、実践 上」、ダイヤモンド社、2008年12月